海の底、森の奥

EXO、東方神起に関する小説など書いています。
お友達を作れたりしたらなあと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

心中の道連れ 11

ベッドから起きるのが億劫だ。

音楽を鳴らしながら光っていた携帯電話を放り出すと、俺は体をうつ伏せにした。

枕を抱きかかえ、顔を埋める。

……妙な夢を見た気がする。

それもついさっきまで。

頑張れば思い出せそうな気がした。

でも思い出したくなかった。

ベッドに押し付けた体の中心の出っ張った部分から、痛みを感じる。

……シャワー浴びて……。

時間はどんどん過ぎていく。

俺はぐっとベッドに手を付き、床に足を着く。

まだ薄暗い部屋に寝息の響く中、着替えを静かに引っ張り出す。

そして、音を立てずに部屋を出た。


浴室から出ると、ある程度すっきりした気持ちになっていた。

眠気ももやもやも痛みも軽減され、パンツだけ履いた俺は濡れた髪をタオルで拭きながら、喉の渇きを覚えて着替えを持って脱衣所を出た。

早朝だ。

今日は今の時間からスケジュールが入ってるのは俺だけのはずだ。

……だいたい男ばかりで気にしすぎることもないのだ。

ほとんど裸同然で、俺はミネラルウォーターを飲みながら頭をタオルで拭き続けていた。

熱めの湯を浴び、しかも処理をしたせいもあってそんな格好でも寒さはいっこうに感じなかった。むしろ暑かった。冷たい水が本当においしかった。

キッチンに突っ立ったまま、俺は冷えたグラスを干した。

カチャン。

背後の音に振り返る。

……パジャマ姿のベッキョンが、驚きを含んだ顔で俺を見ていた。

俺は口の奥に残った水分を体内に落とした。

「……おはよ」

そう言った。パンツの尻を向けて。

「……はよ」

ベッキョンは狐につままれたような顔で、俺の後ろで棒立ちになっている。

「……なにしてんの」

俺はシンクにグラスを置きながら答える。

「…見ての通り風呂入って、水飲んでたんだよ」

振り向くのが難しかった。

シンクに手を付いてためらったが、どうにもならないことは分かっていた。

「……俺も、喉渇いた」

「え」

ベッキョンは冷蔵庫の前にいた。

大きなペットボトルを取り出すと、そのグラス貸して、と俺に言う。

言われた通りシンクから取り出して手渡すと、なみなみと水をつぎ、俺を見ながらいっきにそれを飲み干していく。

俺はその華奢な喉が流れる水を落としていくのから、いっときも目を離せない。

カン。

空のグラスを置くと、ベッキョンははー、と強く息を吐き出した。

一瞬そらした視線を、また、戻す。

俺たちは互いを見合った。

「……なんか変な夢見ちゃってさ」

どこもかしこも輪郭の薄い顔をした寝起きのベッキョンが、しかし目の中身だけはおかしなふうに輝かせて、肩の触れ合うところで俺の顔を捉え続ける。

「……そう。…………俺も」

なんの夢だったか思い出してしまう。

だって今だって、夢の中のようなのだ。

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